診察室で乾燥肌の方にお会いすると、私はまず「何を取り除くか」よりも「何を補い、何を守るか」を考えます。鏡を見るたびに顔がつっぱってカサついていると感じる方や、冬になると頬が赤くなってヒリヒリする方は多いものです。乾燥肌は短所ばかりが注目されがちですが、診察室で見ていると、上手にケアさえすれば、むしろ年齢を重ねるほど有利になるタイプです。今日は、乾燥肌の性質と長所・短所、そして私が実際におすすめしているケアの方向性を、順を追ってまとめてみます。
乾燥肌とは、結局どのような状態なのか
乾燥肌は、水分と油分の両方が不足している状態です。肌が乾燥しやすく角質が浮き、冬の冷たい風で赤くなったりヒリヒリしたりしやすくなります。脂性肌と比べると性質が正反対に近いため、ケアの方向性もまったく違ったものでなければなりません。二つのタイプの違いが気になる方は、脂性肌の長所・短所とケア戦略も併せてお読みいただくと、ご自身の肌を理解するのに役立ちます。
乾燥肌にも確かな魅力があります
乾燥のせいで心配が先に立ちがちですが、乾燥肌には脂性肌がうらやむような長所がいくつもあります。
- さらりとした肌質:皮脂の分泌量が少ないため、いつもなめらかでさらりとした状態が保たれます。若い頃は肌がとてもきれいだったと記憶している方の多くが、乾燥肌タイプです。
- 小さな毛穴:皮脂が過剰に分泌されないため、毛穴が広がる余地が少なくなります。いわゆる陶器肌に近い肌質を持つ方が多いです。
- ニキビ跡の負担が少ない:皮脂の分泌が少ない分、思春期のニキビの悩みを比較的経験しにくい傾向があります。


では、短所は何でしょうか
長所の裏側には、ケアをしなければ表に出てくる弱点があります。
- 乾燥:皮脂という天然の保護膜が不足しているため、肌の中の水分が蒸発しやすくなります。そのため、十分な保湿剤で絶えず水分を補ってあげることが何よりも重要です。
- 小じわと弾力の低下:肌が乾燥すると、弾力線維であるコラーゲンとエラスチンの合成が減ります。水分不足は弾力低下の主な原因になりうるうえ、小じわも比較的早く増えやすくなります。
- 敏感さ:皮膚バリアが弱まると、外部からの刺激に弱くなります。小さなほこりや温度変化、化粧品にもすぐに赤くなったり、かゆくなったりする反応が現れることがあります。
結局、乾燥肌ケアの二本柱は保湿とバリア強化です。バリアがなぜそれほど重要なのか、その原理が気になる方には、皮膚バリアのお話でより詳しく取り上げています。
乾燥肌ケアの核心は、洗い流すことにはありません。肌の奥まで水分を満たし、丈夫な防御膜を作って守ってあげることにあります。
洗顔と保湿、順序と強さがケアを左右します
乾燥肌であるほど、洗顔はやさしく、保湿はたっぷりが原則です。私が診察室でおすすめしている順序は次のとおりです。
- 弱酸性クレンザーで、しっとりと洗顔します。保湿成分が含まれた製品ならなおよいでしょう。
- メイクをした日は、クレンジングミルクでまず落としてから、弱酸性の洗顔フォームで仕上げます。
- 熱いお湯で顔を洗ったり、長時間シャワーを浴びたりする習慣は、天然の油分を過度に洗い流して水分の喪失を招くため避けます。
- セラミドのような天然保湿因子を含む高保湿クリームを、たっぷり塗ります。一度に厚く塗るよりも、薄く何度も重ねるレイヤリングのほうが効果的です。
角質ケアはどうすればよいでしょうか。結論から申し上げると、ごくたまに、そしてやさしくです。刺激の強いスクラブやAHA・BHA製品は、なるべく避けることをおすすめします。それでもどうしても使いたい場合は、比較的刺激の少ないPHA成分を選び、手や道具で物理的にこすって剥がす方法は絶対にしないでください。正しい洗顔ルーティンが気になる方のために、クレンジングはどうすればよいでしょうかで段階ごとにまとめています。
乾燥や敏感さがなかなか落ち着かず、ご自身の肌に合う製品や順序を確認したい方は、今すぐチャットで相談するからお気軽にお問い合わせください。

紫外線対策、乾燥肌ほど気をつけるべきです
紫外線は肌の老化とダメージの主な原因であり、乾燥肌も例外ではありません。むしろ乾燥肌・敏感肌は小じわができやすい傾向があるため、UVA対策により力を入れる必要があります。日焼け止めは大きく二つの系統に分かれます。
| 区分 | 作用の仕組み | 長所 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 紫外線吸収剤タイプ | 紫外線を吸収して化学的に分解 | 伸びがよく白浮きがほとんどない | オキシベンゾン、アボベンゾン、オクチノキサートなどの成分が刺激になることがある |
| 紫外線散乱剤タイプ | 紫外線を物理的に反射・散乱 | 刺激が比較的少なく敏感肌にも無難 | 白浮きすることがある |
敏感な肌の方は、紫外線散乱剤タイプの使用をまず検討されることをおすすめします。目安としては、日常生活ではSPF30・PA++以上、屋外活動の際にはSPF50・PA+++以上の製品が適当です。

なぜ乾燥肌に高周波のハリケア施術も一緒にすすめるのか
皮脂の分泌が少なく保護膜が弱い乾燥肌は、脂性肌よりも小じわができやすいものです。そのため、ホームケアだけでは弾力の低下がなかなか改善しないとき、私はサーマクールやデンサーティのような単極型高周波の施術を方向性として提案することがあります。これらの施術は、肌の深い層に安全に熱エネルギーを伝えてコラーゲンの再生を促し、肌が自ら弾力を取り戻して小じわを改善できるよう助けることが知られています。効果や反応には個人差があります。
まだ40代になっていない方でも、予防的に早めに施術を受けておく選択が役立つことがあります。どのハリケア施術がご自身の肌に合うのか比較が必要な方は、ウルセラとサーマクール、デンサーティをどう選ぶかをまとめた記事を参考にしてみてください。
まとめると、乾燥肌は保湿とバリア強化で短所をカバーし、なめらかな肌質という長所を生かす方向でケアすれば、ずっと良い状態を長く保つことができます。長い記事をお読みいただき、ありがとうございました。ご自身の肌に合ったケアの方向性が気になる方は、下のボタンからお気軽にお問い合わせください。
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執筆:チョ・ミンギョル院長(皮膚科専門医、大韓皮膚科医師会 色素・ニキビ・酒さ・毛髪マスター認定)。詳しい経歴は医療スタッフ紹介でご確認いただけます。 初回公開 2025年5月12日 / 最終確認 2026-07-09
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、適した治療や結果は個人の状態によって異なる場合があります。