ニキビが一つ治まった後に、赤みだけが長く残る経験は、ほとんどの方が一度はされたことがあるでしょう。診察室でも「この赤い跡、そのままにしておけば消えますか?」という質問を本当によく受けます。結論から申し上げると、自然に薄くなる跡もあれば、そのままにしておくと瘢痕として固まってしまう跡もあります。今日は、その二つを私がどのような基準で見分けているのかをお話しします。
赤い跡はどのくらい続くのか
顔に残った赤い跡は、短ければ2〜3か月、長ければ数か月続くこともあります。問題は、このうちどの跡が永久的な瘢痕として残るのかを、前もって言い当てるのがかなり難しいという点です。同じ位置、同じくらいの大きさでも、経過は人によって異なります。
とはいえ、まったく予測できないわけではありません。ニキビ跡の瘢痕ができるリスクを分析した研究データがあるため、どのような条件で瘢痕の可能性が高まるのか、ある程度の方向性はつかむことができます。
瘢痕が残りやすいのはどんな人か



研究結果をまとめると、瘢痕ができる可能性が比較的高いと報告された条件は次のとおりです。
- 女性より男性の場合
- ニキビの家族歴がある場合
- ニキビそのものが重いほど
ある意味、当たり前の話のように聞こえるかもしれません。ただ臨床で重要なのは、こうした条件に当てはまる場合、赤い跡をもう少し積極的に見守り、ケアすべきだというサインとして読み取るという点です。大人ニキビを繰り返している方は、炎症より先に皮脂腺を見るべき理由も併せて参考にしていただくと役立ちます。
では、すべての赤い跡を治療すべきなのか

必ずしもそうではありません。赤い跡は大きく二つに分けて考えることができます。
| 区分 | 特徴 | 私がお勧めする方向性 |
|---|---|---|
| 様子を見てよい跡 | 膿をもたないごく小さな吹き出物の後、表面の変化がなく単に赤くなった部位 | 時間をかけて経過観察。ただし受診すれば回復がより早まることもある |
| 受診をお勧めする跡 | 両頬に多発した膿疱性ニキビをつぶした後、表面がへこんだり変形したりして赤く残った部位 | 萎縮性瘢痕につながる確率が高いため受診を推奨 |
表面に変化のない赤みは、時間がかなりの部分を解決してくれることが多いです。もちろん受診すれば回復のスピードが上がるのは事実ですが、必ずしも急ぐ必要はありません。
一方、つぶした後に肌の表面がくぼんだり、きめが変わったまま赤く残ったりしている跡は話が別です。こうした跡はそのままにしておくと、へこんだ瘢痕として固まる可能性が高いため、私は早めに受診されることをお勧めしています。
赤みだけが残っているのか、表面まで変わっているのか。この一つの違いが、「待ってもよい跡」と「手を打つべき跡」を分ける最も実用的な基準です。
赤い跡なのか、すでに色素沈着に移行した段階なのか迷うときは、自分で判断するより確認を受けたほうが安全です。今すぐチャットで相談する
赤い跡はニキビのどの段階なのか

ニキビは上の図のように、面皰から始まって炎症性ニキビへと進む流れをたどります。赤い跡は、まさにこの炎症性の段階で現れる所見です。つまり赤い跡そのものが、「今、炎症が進んだか、治りつつある場所」というサインなのです。
今のところ、「どのような赤い跡」が永久的な瘢痕として残るのかをはっきり区別してくれる具体的な研究結果はありません。だからこそなおさら、表面の変化の有無と瘢痕のリスク条件を併せて見る判断が必要です。
研究が示す瘢痕の多さ

日本でニキビ患者さんを対象に瘢痕の発生割合を調べた研究によると、かなりの割合で何らかの形の瘢痕が観察されたと報告されています。もちろんこれは集団を対象とした統計で個人差はありますが、ニキビの後の跡が思った以上によく残りうるという点は明らかです。
ですから、赤い跡がずっと気になる場合や、表面の変化を伴う場合は、お近くの皮膚科専門医に相談されることをお勧めします。ご自身では判断しにくい部分を指摘してさしあげるのが、診察室の役割です。
赤い跡は、その後どのように扱うのか
この記事では、「待ってもよい跡」と「手を打つべき跡」を分ける基準に焦点を当てました。実際に赤い跡をどのような方法で扱うのか、すでにへこんだ瘢痕にはどうアプローチするのかは、それぞれ詳しい説明が必要なテーマなので、別にまとめておきました。
- 赤い跡そのものの治療の方向性が気になる方はニキビの赤い跡はどう扱うのか
- すでにへこんだ瘢痕でお悩みの方はへこんだニキビ跡にキュアジェットをまずお勧めする理由
- 赤みが茶色の色素に移行した場合は炎症後色素沈着の初期ケア
血管性の赤みが目立つときに用いるVビームパーフェクタのように、跡の性質によって方向性は変わります。ご自身の跡がどちらに近いのかをまず確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。
チャットで相談する[References]
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Liu, Lin, et al. "Prevalence and risk factors of acne scars in patients with acne vulgaris." Skin Research and Technology 29.6 (2023): e13386.
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Hayashi, Nobukazu, Yoshiki Miyachi, and Makoto Kawashima. "Prevalence of scars and 'mini-scars', and their impact on quality of life in Japanese patients with acne." The Journal of dermatology 42.7 (2015): 690-696.
執筆:チョ・ミンギョル院長(皮膚科専門医、大韓皮膚科医師会 色素・ニキビ・酒さ・毛髪マスター認定)。詳しい経歴は医療スタッフ紹介でご確認いただけます。
初回公開 2024年2月13日 / 最終確認 2026-07-09
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、適した治療や結果は個人の状態によって異なる場合があります。